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西三河歴史教育者協議会


歴史教育・社会科教育を語り検討する研究団体
by westmikawa
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韓国修学旅行

3月例会は、今井さんの韓国修学旅行の報告。
無事に帰ってきたのでまずはめでたし。
報告は、事前の学習として、文化、音楽、食、歴史、言葉の学習。韓国の高校生とのやりとりをネットを使って夏休み前から始めます。
ソウルで交換会を開き、歴史的遺跡を一つは入れることを条件として、班別に行動。

例会では、どこを訪問することがより有意義かを中心に議論しました。
詳細は写真の下に掲載しました。

韓国修学旅行_b0024223_20485839.jpg

1.韓国研修旅行(修学旅行)について
 本校の大きな行事に韓国研修旅行(修学旅行)がある。この行事は1988年3月に始まり、1年生全員が毎年3月(来年度から2年次6月初旬に変更予定)に韓国に3泊4日で訪問する。ソウル市内にある建国大学校師範大学付属高校と交流を続けており、生徒だけでなく教員同士の交流も行われている。

2.事前学習
 韓国研修旅行に対する位置づけが高く、多くの教科担任の協力が得られ、総合的な学習の時間・世界史・英語・情報の授業の中で事前学習を行ってきた。また、本校での長期勤務者を中心に実践が積み重ねられ、韓国語でのやり取りができる教員が数名いることなどで、10年以上にもわたって韓国研修旅行を継続することができたといえる。

①総合的な学習の時間
 高校では2003年からスタートした教科で、本校では各学年に1単位ずつ配当している。家庭科・情報・音楽・世界史の担当教員がローテーションで、チヂミ作り、ペンパルへの手紙、市内研修の候補地の下調べ、交流会での歌の練習などを行った。
 市内研修の候補地の下調べについては、韓国観光公社から配布された「韓国の旅ガイドブック」やインターネットの「韓国ソウル総合情報サイト」「ソウルナビ」を使って行った。

②長期休暇の課題
 夏休みの課題では、いくつかのテーマの中からインターネットや本などで調べたことをレポートにまとめさせた。「情報」の授業で電子メールについて学習しているので、自宅のコンピューターから電子メールを送ることができる生徒は、レポートを電子メールで送るようにさせた。
 冬休みの課題では、「アンニョン・コリア」(三友社)という韓国のことを取り上げた英語の副教材を使用した。「英語」では副教材の中にある「柳寛順」を読ませ、冬休み明けの課題テストで出題した。「世界史」では副教材の中にある「景福宮と仏国寺」「善隣外交」「在日コリアン」の3つの文章を読ませ、日本語訳にさせた。

③世界史
 2004年度入学生は、1年次に世界史A(3単位)を全員履修する。韓国に関する内容については以下のとおり。
・朝鮮半島の歴史(資料集「新詳世界史図説」浜島書店を使用)
・朝鮮の開国〜植民地化
・ビデオ『伊藤博文を撃った男』(テレビ朝日「驚き、ももの木20世紀」より)鑑賞
・朝鮮の独立運動
・ソウル市内の観光地について(「韓国の旅ガイドブック」韓国観光公社を使用)
・ソウル市内の史跡について(タプコル公園・西大門刑務所歴史館・景福宮)
・朝鮮半島分断の歴史
・ビデオ『孫基禎』(読売テレビ「知ってるつもり」より)鑑賞

3.研修旅行当日
 9日(水)中部国際空港出発
          ホテルで交流会に向けての歌・有志発表の練習
10日(木)午前:統一展望台
      午後:建国大学校で交流会
         第1部 全体交流
         第2部 ペンパルとの個人交流
11日(金)班別市内研修(日本語のガイド付き)
      漢江クルーズ
12日(土)帰国

 研修旅行における中心行事は、2日目の午後に行われる交流会と、3日目に行われる班別市内研修であり、事前学習ではこの2つに力を入れてきた。
 2日目の全体交流では、本校の生徒は「さようなら」「My Memory 」「建国大学校
師範大学付属高校校歌」「本校校歌」を歌った。「My Memory 」を相手校と本校の生
徒が一緒に歌うと感動のあまり、涙を流す生徒もいた。全体交流の後、英文で手紙のやり取りを行ったペンパルと対面し、大学のキャンパス内を散策した。本校の生徒に比べて相手校の生徒の方が積極的に意思表示をしており、本校の生徒は相手の生徒に押され気味であった。
 3日目の班別市内研修では、日本語を学んでいる韓国の大学生が各班に1名ずつ付いて、生徒が立てたテーマに基づいて訪問予定地を回った。候補地の中に西大門刑務所歴史館・タプコル公園・安重根義士記念館・国立民俗博物館・宗廟の1つを入れるようにした。英語や世界史の授業の中で「柳寛順」について説明したので、西大門刑務所歴史館・タプコル公園に足を運ぶ班が多かった。景福宮に集合してクラス写真を撮って、漢江クルーズに向かった。

4.事後学習
 研修旅行後、感想文を書いて1冊の冊子にまとめているが、今年度は「情報」の授業の一環として感想文をワープロで作成させることにした。そして、優秀な作品については韓国観光公社が行っている「韓国修学旅行感想文・写真コンクール」にも応募している。
 3日目に班別市内研修を行ったので、自分たちが調べた研究テーマをポスターセッションで発表する時間を設けている。

5.反省および今後の課題
 班別ソウル市内研修の候補地に世界文化遺産である宗廟も入れたが、足を運んだ班はなかった。候補地についてはまだ検討の必要あり。班別ソウル市内研修の出発地をホテル、集合地を景福宮としたが、逆にした方がよかった。3日目は晴れてクラス写真の撮影ができたものの風が強く、寒かった。景福宮でガイドによる説明を行った後、解散させた方がよかった。昌徳宮も世界文化遺産であり、生徒にも見学させたいが、見学する時間が限られている。せめて1カ所は、ガイドによる説明の場を設けたい。
 韓国の歴史については日本史にせよ世界史にせよ、ブツ切れになってしまう。通史学習の必要性を感じている。豊臣秀吉の朝鮮侵略、朝鮮通信使などを授業で扱うことができなかった。週に1時間の「朝鮮史」通史学習が必要なのではないか。そのためにも本校独自の副教材作りが必要であると感じている。
 アンケートで「機会があれば韓国へ行ってみたい」と答える生徒が多い。夏休みなどの長期休暇を利用して、韓国でのフィールドワークやホームステイを行いたいと考えている。
 また、私自身も建国大学校師範大学付属高校の生徒と電子メールなどのやり取りをしたいと考えている。
by westmikawa | 2005-03-14 20:49 | 社会科教育
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